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ら何かもういわゆる音楽コンサート、芸術どうのこうのという問題ではなくて、何か1つのそこで作品を完成させるのにどれだけの手間がかかるか、それから金がかかるか、でもそれがCDのプロモーションなりもしくは話題性として社会性を帯びてくれば、それはそれで成功だという、だから興行としての営業面は一切考えていませんというのが現在の音楽のコンサートの現状であります。
アーチストは出世魚ということを書いてあるんですけれども、これはいわゆるプロダクションなりプロモーターなり、それからレコード会社の方々が若いアーチストを見つけるというのは大体ライブハウスで見つけるんです。ですから、本来札幌なんかでもライブハウスが幾つもありますし、活動は盛んですし、昔みたいに安全地帯が札幌から火がついたみたいなこともあります。皆さんのお近くにもきっと若い有能な方々がたくさんいらっしゃると思うんですけれども、プロモーターとかレコード会社の人間というのは本当によく見ています。
名もないアーチストのライブを見に行って、要するにこれは先物買いというんですか青田刈りというんですか、そういう形ですから、そこでいち早くアーチストを見つける。そこで人に聞かせるだけの演奏能力を持っているかどうか、それからきょうの先生のお話ではありませんけれども、本当に独創性があって1つのキャラクターとして際立っているかどうかとか、いろんな面を加味してつばをつけて呼んできて練習をさせてということですけれども、それでもやっぱり初めはライブハウスから演奏させる。それで、例えば私はちょっとこの札幌の地域のことは余り詳しくないんで東京の例で恐縮なんですけれども、ライブハウスでお客さんの数がだんだん口コミで広がっていく、入場者が入場できないという1つの消費者側に飢餓状態が生まれてくると、ホールのランクを上げていくんですね。ライブハウスから、次に東京ですと1300の日本青年館というのがありますけれども、そこに上げていくんですね。
1300のホールででもこいつらのバックには3000人のファンがいるなと思ったならばまた次の、じゃ、2000の渋谷公会堂へ行ってみようかとこういってまた上げていくわけです。2000の渋谷公会堂でここもできるということは、当然札幌の厚年とか、宮城の県民とかでも当然できるわけですから、そうしたならば、じゃ、東京のときは今度は武道館でやろうと。武道館もOKだと、そうするとじゃ、代々木のオリンピックプールでやろうかと、これがその出世魚という意味でありまして、きちんとアーチストがどう進歩しているかを周りが見ながら舞台を設定して上げる、つまり無理をすれば絶対にこれはリスクとしてはね返ってくるわけですから、先ほど言ったことと矛盾しますけれども、やっぱり空席をつくることは非常にイメージが悪いわけです。ですから、空

 

 

 

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